TVの中の芸能人。
LIVEハウスで輝いてるベーシスト。


そんな託実が、
一気に身近になった昨年の出逢い。




……これが本当に最後になるかもしれない……。



託実が好きなのは……
私のお姉ちゃんなんだもん。





現実を突きつけられると、
涙が零れ落ちそうになる。

思わず泣きたくなくて上を向く。





これもある意味、思い出作りだよね。



ただのファンの私では、決して体験できない
託実のマンション散策。




順番に楽しんだ後に辿り着いた最後の部屋。



その扉に、
ゆっくりと手を伸ばしてドアをあける。



電気を付けた途端に、飛び込んできたのは
私が描いた作品。



そう、最初の出逢いの時、
親友の病室に飾るのだと購入してくれた絵画が、
今は託実の部屋に飾られている。



あの時は気が付かなかった
その絵をプレゼントした存在は、Takaさん。


宮向井隆雪。



AnsyalのTakaの半身。



もう一人のTakaは私も良く知る
唯香の教え子。


宮向井雪貴。



この二人のTakaの存在が公になった
今だからこそ繋がった……この絵を渡した親友。



だけど親友は天国の扉を潜った。


自分の中のパズルを組み立てながら
その絵をじっと見つめる。



その絵の傍に近づくと、裏側から見える
挟まれた一通の封筒。



見てはいけないと思いながら
その封筒へと指先は伸びて静かに開く。







Dear:隆雪