「いきなり何?」


「別に!功希と結婚出来て世界で一番幸せだなぁ〜って思ったら、ぎゅっとしたくなったの!」



「いやだった?」と悪戯っ子のように尋ねてくる莉乃は、口元が緩々で笑みが隠しきれてない。


その表情からは自分が律に対して抱いた感情が莉乃にも伝わってしまったんだと読み取れ、少しだけ居心地が悪かった。



「…好きにすれば?」



そんな感情を抑えるようにそっけなく口を開けば、「好きにする〜」とさらに強く抱きしめてきた莉乃に、たまにはこういうのも悪くはないんじゃないかと満更にも思ってしまった。




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