「あ、あのこれ!お誕生日おめでとうございます!!」 持ち手のついた、ほんのりと冷たい白い箱は、その中身を安易に想像させた。 「…ショートケーキ作ったんですけど、自信作とまではいかなくて…。味は大丈夫だと思うんですけど、見た目が…」 左右の人差し指を交互に回しながら、俯き加減でそう漏らす。 その姿を視界に入れたところで、渡された箱に視線を移す。 そして、そのまま片方の手のひらに箱を乗せ、ゆっくりと開いた。