≫潤


「だってよ。どうするんだよ?」


教卓に隠れきれていないその黒髪の持ち主に声をかければ、慌てたような声が返ってくる。



「いやでも、だって、気持ち悪いって思われたり…」

こんなのストーカーみたいだもん。とぶつぶつ呟いている莉乃。

俺からしてみれば、今までの行動を振り返って考えたらこれぐらいどうってことない気しかしないけど、本人にとっては結構重大問題らしい。



「しかも、朝たぶん私変だったし、どうしよう合わせる顔ないよーー」



それに関しても、さっきなんて隠れてることまでバレてたと思うけど、そんなこと微塵も考えてないその姿を見ると何にも言う気になれなかった。