…はずだったのに、一向に姿を現すことなく、気づけばもうすぐ昼休みも終わる。 ああいう状況の時、いつもなら休み時間になったらそれがたとえ短くても急いでやってきて弁解し始める。 でも、今朝はその”いつも”と少し違っていたことを思い出した。 「……めんどくさいやつ」 はぁ、とひとつ溜息をつくと、ゆっくりと腰をあげる。 そのまま教室の引き戸を開けると、2年の教室のある方向へと歩みを進めた。