「なんで灰色…?」


ピンクとかオレンジとかもっと可愛い色あるのに…とぶつぶつ言ってる莉乃は、どうやらそうとう灰色と言われたのがショックのようだ。


拭き終わった食器を片づけ、いそいそとリビングに向かい、雑誌を手に取っている。

ペラペラとめくっていた手はとまり、あるページを凝視する莉乃。

大方答え合わせでもしてるんだろう。



「じゃあ、俺は何色なイメージなの?」



ためしにそう聞いてみれば「黒!」と即答された。