え…と驚いて下を向けば、胸元には莉乃の頭がある。


荷物を受け取るために出した腕の中に、莉乃は何故かすっぽりと埋まっていた。




「……………何やってるの?」


「………………えっ!?」



驚いた顔をする莉乃に、だいたいのことを察する。



「荷物持とうと思っただけなんだけど」


莉乃の行動のせいで少し赤くなったであろう頬を隠すようにそっぽを向きながら言う。


そうすれば、莉乃は恥ずかしそうに慌てて体を離して荷物を差し出してきた。