後輩に部活で必要な書類を届けていたとき。
少し離れたところで伺うようにこちらを見ているその姿を見つけ、内心笑みがこぼれる。
そのまま数言後輩と話して別れた後、振り向けば、顔を真っ赤にさせてその後輩に話しかける姿があった。
……あぁ、そういうこと。
さっきまでこちらを伺っていたのは、武井と話す機会を待っていたからか。
未だに顔を真っ赤にして話している姿を見て、イライラする。
ましてや、話しかけられて満更でもないような武井の顔はなおさらだ。
そのままその2人を置いて、その場を離れる。
一時、あいつらの顔は見たくないかな。
そう思ってしばらく。
何故か武井が話しかけてくるようになってきた。



