あぁ、きっと走って探してたのバレた。


滲む汗を感じながら、そう思う。



きっとさっき耳打ちされてたのは、これのことか。

他人にあれこれ言われるのは嫌だけど、今目の前にいる莉乃の顔は真っ赤ながらに幸せそうで。



「………たまには気が利くじゃん」



そう言えば、嬉しそうににっこりと微笑んだ。