「分かったら、早く指輪つけなよ」



どうせ持ってきてるでしょ。



そう言えば、ごそごそと鞄の中を漁り、それを取り出す。



「許可なしに外すとか許さないから」


そう言ってつけてやれば、何度も頷き、



「好き」



だなんていきなり言うから、少し驚いて。



あんなにイライラしてたのに、にこりと笑いかけてきたその顔を見て、すーっと気持ちが和らいだのは事実。


でも、許すか許さないかはまた別だからね。


そう、心の中で呟いた。