………なに、あいつ。


「………っ」



顔を真っ赤にしながら、逃げ出すように去っていくその姿は、脱兎のごとく。


全力で去っていったそいつが見えなくなって、1人その場に残った俺は、そいつの行動につい笑みがこぼれた。


「あんな無鉄砲なバカ、初めて見た」



すっかり眠気のさめた俺はそのまま腰を上げると、うるさいであろう教室へと向かっていった。