「それで、何で私なの?」



「今回のは、参加者が1番仲良い異性連れてくっていう条件なんだよ……」


そうすれば、競争率が下がるからだと莉乃に説明すれば、納得したんだかしてないんだかよくわからない返事が帰ってくる。



「それで、絶対に恋愛感情のない異性って言われたら、おまえしかいないだろ?」


「そうだけど………なんかムカつく」



そう笑って言えば、何故か腹を殴られた。



「じゃあ、当日は指輪外していった方がいいの?」


「おう。……ほんとごめんな、織部さんいるのに」



「いつも私たちの方がお世話になってるし、このぐらい全然大丈夫!………たぶん」



やっぱり怖いよな。


どこか遠くを見据える莉乃。

その姿に、今度ケーキでも奢ってやろうと思った。