「え…違反取り消してくれないの…?」 引きつった笑顔で聞き直した。 …さっきのは幻。 昨日、寝不足だから幻覚が見えただけ。 そう自分に言い聞かせていた。 「無理。」 「お願い♪」 「あきらめた方がいいよ。はい、次。」 私の次の子の服装を検査しながら、そっけなく言うその男。 …何だ、コイツ。 人が下手に出てたら調子に乗りやがって!! 人がたくさんいるのにも関わらず私は叫んだ。 「あんた名前は!?」 「…横山悠都。」 ―…横山悠都(はると)? ……誰だよ!!