もっと君と   愛し合えたら

たくみはまだ私の腕をつかんでいた。

「手を離して。」

「さっきの続き、ここなら誰にも見つからないぜ?」

「んぐ、ぅんん。」

相変わらず強引なキス。

彼は私の首筋に唇を這わして肌を吸った。

「イヤったら。」

「夕美さんの匂い、甘いな。かすかに男の匂いがする。」

「やめて、離して。」

「夕美さん、聞いて。俺はあの時裏切った。それは認める。だけど失ってから初めて失ったものの大きさに気づいた。俺はどんな女を抱いても夕美さんの代わりにはならないとわかった。」

「今更そんなことを言ってももう遅いの。少しは私のことを考えてくれたことがあった?」

「いつも考えてた。」

「嘘を言っても私には通じないわ。あなたが失ったもののその大きさと同じくらい、私は深く傷ついていたのに、あなたはそんなこともわかってなかった。私がつらくて苦しんで悲しかったなんて、考えてもくれなかったことでしょ?」

「俺だってそれくらいのことは思った。それに後悔している。もう一度二人で狂いたい。」

「ダメよ。そんなことできない。私には大切な人がいるの。私を待ってくれている人がいるの。こんな風に偶然会ったとしても私のことはもう無視してちょうだい。」

私は急いで部屋へ戻った。