保健室と同じ階の一番端の部屋。


カウンセリング室はそこにあった。


いままで全然気づかなかった。




その部屋は南に向いているようでどこの部屋よりも明るい気がした。


柔らかいソファーが向かい合わせに置いてありその間には机がある。



机の上にはお菓子が置いてあって最高の場所だと思った。



学校のチャイムがは6時間めの始まりを告げていた。




紅茶を淹れながらそのおばさんは名乗った。



「私の名前は広瀬愛美よ。本当につい最近ここに保健室の先生兼、カウンセリングの教師として雇われたのよ。

産休に入った先生の代わりなの。

本当にここの学校に来れたときは奇跡だと思ったの。




広瀬さんは優しい声でいった。


なんとなく誰かに似ている感じがする。




「私は今年入学した、高橋さおりです。」



そう、といって彼女は目を細めて私を見つめた。



「あなたが、高橋さおりさんだったのね。会えて嬉しいわ。」



「なんで私のこと知ってるんですか?」



細くなった目で私を見つめる彼女に聞く。



「そりゃぁだって高橋さんといえばチアで有名でしょ?
すごい選手だって聞いたの。」



そんなに私は有名なのだろうか。



すごいと言われて嫌な気持ちはしなかった。