「ジーニアス、なんだか賑やかですよ!!」



大通りに着くとティアは嬉しそうにジーニアスを振り返った。


今日は市の立つ日にあたったらしく、大通りは人で溢れていた。



「いらっしゃいませ~」
「出来立てだよ、買っていってくれ」
「珍しいお品が入ってますよ!!見ていってください」
と声を張って叫ぶ売り子の声があちらこちらで飛び交っている。


出店の近くで「おかーさん、あれ欲しい!!買って買って~」と、母親の裾を掴みながらおねだりする子供がいたり。


「これはどこの品だ?」と、品物を興味深げに眺めながら店の人と会話している人たちがいる。


ジーニアスがティアを連れ回したときと変わらない喧騒がそこにあった。