ジーニアスは一瞬言葉をつまらせ、ティアから顔をそらした。



「…っ、何をしてほしいんだ?」



こころなしかその顔がほんのり紅く染まっているように見えるのは気のせいだろうか。


ジーニアスの反応に首をかしげながらティアは言葉を続ける。



「私をもう一度、大人の姿にしてもらえませんか」



「大人の姿に…?」



「はい。一度大人の目線で町を見たいと思っていたので」



ティアはそれらしい理由を口にする。



ー見かけだけでもジーニアスに釣り合いたい。



そういう思いは確かにある。しかし、そのためだけにこんなお願いをしているわけではない。