先ほどまではぴったりだったはずのドレスは枷のように重くまとわりついている。 ティアはそれを脱ぐと、ジーニアスの持ってきた服に袖を通す。 フリルシャツに黒いズボン、赤いタイを首に結ぶ。 髪飾りを引き抜き、髪をひとつに結び直した。 数分足らずで鏡の前には貴族の格好をした男の子が映し出されていた。 ーこれが本来のあるべき姿。 ー夢の時間は終わりだ。 ティアは瞳を伏せて自分に言い聞かせるとギュッとこぶしを握りしめた。