薬品と恋心


7年前のあの日。
すぐに帰ってくるから、と笑って出掛けて行った両親の姿が頭をよぎる。


ーいや、そんな。そんなはずはない。



盗賊が出てきているという話は聞いていないし、ティアたちがここまで来る道中もそんなことはなかった。



ー大丈夫。きっとこの雨で少し足止めされているだけだ。



そう思うのになぜか体の震えが止まらない。


ティアは自分を抱き締めるように腕をぎゅっとつかんで膝をついた。



「早く来て…ジーニアス」


ティアはなぜか不安感を抱かずにはいられなかった。