それを見送ったジーニアスの心は複雑だった。



ー解除薬を造るのはいい。



でも、もうひとつの条件をティアは知っているのだろうか?



ー知っているはずはない。



ジーニアスはポケットから折り畳まれた古びた紙を取り出した。


それは、ティアが目にすることのなかった文書の最後のページだった。