ガタゴトと幌馬車に揺られながらティアは空を見上げる。 ティアは最後の材料である薬草を採るために山に向かっていた。 今回の採取地は思ったほど遠くはなかった。 馬車で行くなら半日もかからない。 帰りは歩くしかないとしても、いつもいく場所よりはずいぶんマシだった。 ージーニアス。 (何も言わずにこっそり出てきてごめんなさい) 空を見上げてティアはジーニアスに謝った。