ところが、指にはシンプルながらも高級そうな石が嵌め込まれた指輪をしており、金を持っていることがうかがえた。 男はカウンター席に座り、何かを探すように周りの人たちを見回している。 「ご注文は?」 問われて、男はビールを頼んだ。 ほどなくして飲み物が届くと、男はそれを持ってテーブル席でひとりで飲んでいたチューリップハットをかぶった男に近づいた。