それから数日経ち、退院したあたしたちは学校の空き教室に溜まっていた。



「柊、覚えねぇのか?そのガキに。」

「ねーよ。あたし、そんな知り合いいないし。」


仙田の何回目かも分からない質問に、決まりきった答えを返す。


本当に知らないんだよ、そんな男の子。

大体、年下の子どもと接したこと、あんまりねぇし...。


「誰だったんだろうな、本当。」


織井は考え込むように言った。


「お前が考えたってわかんねぇだろ。」


あたしは軽く織井の頭を小突く。


「まぁ、そうだけど...。」


そして、誰も言葉を発さなくなった。

あたしはその空気が耐えられなくなり、立ち上がった。


「なぁ、コンビニに行ってなんか買ってこようぜ。あたし、喉乾いたしさ。」


1つ、提案をしてみる。


「そうだな!俺も小腹すいたし。」

「うん、行こうぜ。」


賛成の声が上がり、あたしたちはコンビニへと歩みを進めた。