その日の授業中。

あたしは眠気に勝てず、コクコクと首を揺らしていた。



「おーい、柊~。」


夢の中なのか現実なのかも分からないその呼び声は、少し茶化すような呼び方だった。


「ひーいーらーぎー!出てこいよ、雑魚。」


あたしはその言葉にイラつき、目を冷ました。


「あ?誰だよ!?」


あたしの声に教室の全員が驚き、あたしは注目の的になる。


「誰だよ、さっきの。」


あたしは睨みつけるようにクラスメイトを見回した。


「ヒーラギ、外だ。」


後ろの席の織井の声に、あたしは外を見た。

そこには、今まで見たこともない人数の不良たちがいた。


「なんだよ...あれ...。」

「...手、組んでたんだよ、他校同士が、喧嘩を売って来てない間。」


織井は真剣そのもので、窓の外のそいつらを睨む。


「...行こうぜ、織井。収集かけよう。」

「待てよヒーラギ。あの人数と俺らだぞ?勝率はねぇに等しいんじゃ...」

「そんなの、決めつけてどうすんだよ!このまま見下されたままなんて、耐えらんねぇだろ!」


あたしは立ち上がり、走り出した。

織井達がビビって来ねぇなら、あたしが1人でやってやる...!