それから、あたしは長い長い夢を見ていたのか、目を覚ますとベッドの上にいた。

日付は、繋と過ごした日々がなかったかのように繋と出会う前の日付だった。


まるで繋と過ごしていたのが嘘だったかのように、あたしは時間に取り残される。


しかし、手に違和感を覚えて、あたしは手を開いた。


そこには、あの指輪が強く握られていた。
どうやら、幻に取り残されてしまったらしいその指輪は、あたしの手の中にあったのだ。


嘘じゃない。
夢なんかじゃない。

繋は確かに、ここに存在していた。
あたしは確かに、彼を愛した。


あたしは学校に行くのをやめ、もう一度目を閉じた。

君にもう一度会えるんじゃないかって、ちょっと期待なんかしながら。