それから数日経って、あたしたちはいつも通り変わらない生活をしていた。


けれど、1つ、違和感のあることがあった。



「...なぁ、なんかさ、攻めてくる奴、いなくなったよな?」


遠田のその一言に、全員が頷いた。

あたしもそう思う。

この頃、後輩も他校の奴も誰一人喧嘩を売って来ないのだ。
それは本当に珍しいことだった。

普段なら毎日のように他校の奴らが乗り込んできたし、後輩もトップの座に立とうと喧嘩を売ってくる。
それが普通だった。



「...なんか、悪い予感がするな...。」

「あたしもそう思う。あたしたちが油断してる隙に攻めこんでくるとか。」

「...もしくは、裏で動いてるとかな。」


その悪い考えはどんどん膨らむばかりだ。



「一応、準備しとけよ、お前ら。」


あたしは仲間に声をかけた。