「明音さん、明音さんがその男と会うのは今日から一週間後です。僕はその日に明音さんと未来を変える。」


繋にそう言われ、あたしは頷いた。
つまり、その日に繋は消えてしまう。

だったら、とあたしたちは集まった。
仲間たちにはさすがに繋が消えるなんて言えない。
繋が引っ越す、という体で集めた。


「繋、引っ越しちまうんだな...。」

「なんか切ねぇよな...。」

「だったらさ、俺らで繋にいい思い出作ってやろうぜ!」


織井がそう言ってくれた。


「繋、俺らとの思い出、作ろうぜ!二週間後だろ?だったらその二週間、俺らで予定埋めちまおうぜ!」


あたしはそれに賛成した。
未来のあたしは繋を見てあげられなかった。
未来の繋は仲間といる楽しさを知らなかった。
その二つの穴を埋めたいと思った。


神田たちがが大きな画用紙に、スケジュール表を作り始める。


「今日は何する?」

「んー...あ、映画観まくろうぜ!話題作超ヤバそうだったし!」

「明日は?」

「ゲーセンとかよくねぇ?プリとか撮ってさ!」

「明後日は?」

「バッティングセンターとか!」


こうして出来上がったスケジュール表。


「よっしゃあっ!今から映画館行こうぜ!」

「オーッ!」


全ての予定を埋めた後、あたしたちは映画館に向かった。