眩しい。

温かい。

眩しい。

温かい。


僕、死んだのかな?
それとも...?


僕はゆっくりと目を開けた。

目の前には、真っ青な青空が広がる。

僕は体を起こした。
周りは草むらが生い茂る空き地。

さっきまでいたのは、団地が立ち並ぶ場所。
そして僕は、一つのマンションから飛び降りた。

だけど、ここは、周りに何もない。

ここは...どこ?


すると、近くで賑やかな声が聞こえた。


「柊!お前、俺が貸した300円返せよ!」

「んな細けぇこと気にすんなよ。めんどくせぇなぁ。」

「んだと?織井もなんか言えよー!」

「まぁいいじゃねぇか。」

「よくねぇし!」


ヒイラギ...?
確か母さんの旧姓って柊じゃなかったっけ?

声も、僕が聞き慣れた声より明るいけど、確かに母さんと同じ声。

僕はその人達をこそこそと追った。
そして、柊と呼ばれた彼女の顔を見た。

彼女は確かに母さんだった。
僕が知っている母さんより乱暴で明るい。
本当は母さんは、こんな人だったんだ。

それなのに、あの男のせいで、母さんは...。



僕はどうやら、タイムスリップに成功したらしい。
だから僕は、この時代で母さんを守ると決めた。
あの男と出会わないように。
母さんが幸せになれるように。
誰も望まない未来を、実現させないために。