朝食を食べ終え、織井が片付けをしている時に、繋は起きてきた。


「あ、あの...。」


恐る恐る、と言ったような繋の声。
まぁ、いつの間にか運ばれてたんだから当たり前か。


「おはよう、繋。具合はどうだ?」


織井が戸惑っている繋に声をかける。


「もう平気です。それより、ここって...。」

「あぁ、俺んちだよ。お前、倒れたんだよ。」

「そうだったんですか...ご迷惑おかけしてすみません。...って、明音さんは!?」


繋が突然焦ったように言った。


「ここにいるよ。」


あたしは繋の頭をグシャッと撫でた。


「あ、明音さん...!よかったぁ...僕が探した時、見つからなくて...。」

「お前...あたしが迷子になったみてぇに言うなよ。お前だからな?いなくなったのは。」

「あ、そうでしたね。」


繋がふふっと笑った。


「あ...忘れてました...昨日は本当にすみませんでした。明音さんのこと、怒らせちゃって。」


そしてすぐに申し訳なさそうに頭を下げた。


「...怒ってねぇよ。あたしも悪かったし。それでさ、その事について二人で話したいんだ。」

「...はい。僕もその時間が必要だと思います。」


繋は頷いた。


「だったら俺はお邪魔だよな。外、出てくるわ。」


織井がそう言って席を外そうとするが、さすがにそれは申し訳ない。
二度も織井を閉め出すなんて。


「いや、いいよ。あたしの家で話そう。」

「はい。あ、お世話になりました。」


繋が織井にお辞儀をして、あたしたちはあたしの家へと向かった。