次の日、あたしたちは繋と約束していたカラオケに来ていた。


「明日のカラオケで、一か八か繋に告ってみちゃえば?」


あたしは、昨日神田に別れ際言われた言葉を思い出していた。


告るって、どうすればいいのかわかんねぇし...。


「繋、なんか知ってる曲あるか?」

「んー...あんまり詳しくないんですけど...。」

「あ、この曲とか結構有名だぜ?」

「あ!聴いたことあります!」

「じゃあ一緒に歌おうぜ!」


繋達は楽しそうに盛り上がっている中、織井が声をかけてきた。


「どうした?ヒーラギ。今日様子違うけど。」

「そ、そうか?」

「ああ。なんか、ソワソワしてる。体調でもわりぃのか?」


そんなにあたしって分かりやすいのか...?

あたしは織井に「何でもねぇから心配すんな。」と伝えた。


「明音さんも何か歌ってください!」


突然繋に声をかけられ、あたしは動揺を隠せなかった。


「ほんとだ、今日柊なんも歌ってねぇじゃんか!なんか入れろよ!」


あたしは動揺したまま曲を入れた。

それが遠回しのラブソングだったことに気付き、あたしは何度も声を裏返し、震え、散々だ。


「あれ?柊ってもうちょっと上手くなかったか?」

「突然だったからだよ、急に歌わせんな、バカ。」


そう返すのが精一杯だ。
恥ずかしい、バカなのはあたしだ。

...だけど、ずっとこのままじゃ、あたしの心臓がもたない。
もう、言ってしまおうか。


「繋...!」


あたしが突然立ち上がり、自分の名前を呼んだからだろう、繋は驚いた様子であたしを見た。


「ちょっと、ついてきてくんねぇ?話したいことがあるからさ。」