その日からあたしたちは一緒につるむようになった。

それと同時に、あたしたちは繋のことをどんどん知っていった。


「へぇ、繋って焼き肉食ったことねぇんだ!?」

「えぇ?繋、カラオケ行ったことねぇの!?」

「え、意外だな、育ちよさそうな感じなのにな。」

「じゃあ、また行こうぜ、このメンツで。」

「本当ですか!?楽しみにしてます♪」


本当に繋はしたことがないことが多い。
その分あたしたちは連れていってやろうと思うようになった。


そして、あたしの心情にも、少し変化があった。

繋はなんか、他の男のダチとは違うって感覚だ。
まぁ、そりゃあ、喧嘩とかしねぇし、男臭くねぇのが大きな違いだけど、もっとこう、あたしの繋への意識と仲間への意識の違い。

仲間達だって、あたしのことを助けてくれる。
だけどそれは仲間だから。
でも繋は、仲間じゃない時から自分よりあたしのことを考えてくれていた。


「...それ、恋なんじゃね?」


仲間の中で唯一彼女がいる神田にその話をすると、そう言われた。


「恋?」

「ああ。お前、繋のこと好きなんじゃね?っつか、柊ちゃんでも恋するんだなー。」

「いや、まだ恋って決まった訳じゃねぇだろ?」

「いーや!それは恋だ!恋愛経験豊富な俺が言うんだからそうだ!」



恋愛、恋、好き...?



今まで持ったことがない、新しい感情があたしの中に流れ込み、戸惑うしかなかった。


繋のことが好き。
それは間違ってない。
だけどあたしは、仲間のコイツらのことだって...。