「お~い、ヒーラギ!行くぞ!」

「あ?また呼び出しくらったのか?」

「1年の寺田だよ。」

「またアイツかよ、ナメやがって...。」


舌打ちをしながら呆れたようにあたしは髪を束ねた。


あたし、柊明音は高校3年生の問題児と呼ばれるような生活をしている。


小さい頃から男のダチとばかり遊び、真面目に勉強なんて生まれてから一度もしたことがないように思う。

今は仲間からトップとまで呼ばれるほどに喧嘩も強くなったし、仲間をまとめるようにもなった。


「おい、寺田、何あたしらのことナメてんだよ。」

「いや、先輩って女だし、弱そうだなーと思ってさ。」


余裕綽々、という様なその態度にあたしのイライラはピークを迎える。


「ナメてんじゃねーよクソ1年!」


あたしはそのままソイツに殴りかかる。

相手は4、5人くらいだったが、あたしはすぐにソイツらを倒した。


「余裕。」


あたしはフンと鼻を鳴らした。



「さすがトップだねぇ、柊ちゃん。」

「本当に女かよ...。」


仲間の声が次々に聞こえる。

正直男に生まれてもよかったな、と思う。


「さ、片付け終了!なぁ、なんか食いに行こうぜ?」

「おっ!さてはヒーラギ、奢ってくれんの?」


仲間達の嬉しそうな声に、

「なわけねぇだろ。織井、この前あたしのプリン食ったろ?そのお詫びとして奢れ!」

と返した。


「えぇー!俺今月金欠なんだよ~。」


後ろから織井の項垂れた声を聞きながら、あたしは笑った。