「...だって...一緒にいていいって...。」

「ったく、お前はそんくらいのことで泣くのか。」

「しょうがないじゃないですか...涙が出ちゃうのは...。」


全く、喧嘩してるところに出ていったりボールに飛び出ていったり高校に堂々と潜入したりと勇気はあるくせにこんなに涙脆いなんて、強いのか弱いのかわかんねぇ奴。


「なんだよもう、泣くなって。」


あたしも仲間達も繋を宥める。
不良と呼ばれてるあたしらがこんなちっせぇ男の子の涙に軽くアタフタしてるなんて、おかしい光景だ。


「繋、お前、ダチいねぇのか?」

「えっ...。」

「おい仙田。」

「いない、です...。作る場所、無いし。」


繋は少し俯いて言った。


「僕、まともに中学校通ってないんです。だから、こういうの、初めてで...。」


繋のその言葉に、あたしはビシッと片手を突き上げた。


「だったらあたしらが一番乗りのダチだな!」

「明音さん...。」

「ああ、そうだな。繋、俺らはお前のダチだ!」

「これからよろしくな、繋!」


その仲間達の言葉にまた繋の目からは涙が溢れ出した。


「ったく、突然泣き虫になりやがって...。」

「わぁっ!」


泣いている繋の頭をみんながグシャグシャと撫でた。

その時の繋の表情は、照れ笑いのような表情だった。