二年にもなってレギュラーになれない私は、みんなが帰った後に個人練習をしようと、こっそり体育館に入り込んだ。 誰もいないはずなのに、低く床を打つ音が聞こえる。 萩原……。 きれいなフォームを維持するには、人知れない努力があった。 私はそこに足を踏み出す事もできず、萩原の姿を見続けた。 次の日も、また次の日も。