底が見えかけていたファンデーションを新しいものに変えた。 そんなことを一樹に知られることにさえ、後ろめたさを感じる。 別に萩原とどうにかなりたいと思っているわけではなかった。 一樹との結婚生活にだって憧れている。 ただどうしても、もしかして違っていた未来を想像してしまうのだ。 どうせなら、すごくおじさんぽくなっていてくれたらいい。 昔と違って全然格好悪くて、 あぁ、つきあわなくてよかった、一樹でよかったって思えたなら。 密かにそんなことを考えながら、私と一樹は八年ぶりの高校を訪れた。