月日が経ち,桜咲く春。


私たちも高校3年になり,進路を決めなければいけない時期になった。



「進路どうする〜?」


気付けば毎回同じ質問をして



「どうしよ…
 決まらない〜」


毎回同じ返事がくるという繰り返し。


または逆。


家の中は溜め息のオンパレード。


唯一進路が決まってる拓海は勉強している姿を見せない。


…というかしてない。


余裕みたいで落ちる気は更々ないらしい。


お父さんが指定した大学は名門なのにさ。



「静ちゃん進学するでしょ?」


ふらっと実家に帰ると話は大学進学の方向で進んでるし。


お母さんもお父さんも自分の通った大学に入ってほしいらしく,帰る度に同じ話を聞かせられる。


だからここ最近は家に帰らないようにしている。



「も−っ
 進路進路って聞き呆れた!!」


「俺もっ」


千香と実はこうやってよくリビングで騒いでる。


拓海が煩そうに見てるって教えなきゃ駄目かな…?