「よお」
司路はおれの席で本を読みながら待ってた。
「さあて、帰ろうかね。」
司路は荷物を持って、おれも司路から渡された自分の鞄を持って、2人で学校を出た。
司路は告白のこと、きっと事前に聞いていて、おれをあそこまで誘導したんだな。だから今日変だったのか。
おれは学校を出て、斜め前を歩きながらさっきからずっとよしみんさんの魅力を語ってる司路に話しかけた。
「なあ…今日の、さっきのこと、知ってたんだろ?」
司路は思いの外すぐ返事をした。
「知ってたよ。
だから言ったろ、今日くらい、シャキッと良い顔しろって。」
「…あのさぁ、おれゆうさんのこと好きっつったじゃん。
なんで如月さんに協力してんの。」
司路は足を止めておれの方を見た。
「お前が!…お前があんな風に、誰かのこと好きになんの、初めてじゃん。
だから、おれは、心配だったんだよ!」
何故か少し熱くなってる司路。
「心配なら、手伝ってくれよ。
あれからおれなかなか会えなくて、会えるよう頑張ってんのに、会えなくて。
困ってるっつったじゃん。」
「だから!そうじゃなくて!
〜…あの人はさ、お前にもう会う気ないよ。お前、相手にされてないんだよ。
だから、おれはお前に幸せになって欲しくて…
如月さんは良い人だし、お前らきっと会うと思うよ、本当。
一回、如月さんをちゃんと見てみろよ。
本当、案外合うってお前ら。」
司路は最後の方は片手で頭抱えながら言った。
「そんなことねぇよ!
それに!いくら合ってもおれが好きなのはあの人だし!」
司路は拳を震えるほど握りしめて俺に向かって叫んだ。
「あの人はな!晶の学校の先生なんだよ!だから!あの人も航も、上手く両思いになったって!うまくいきっこないんだよ!!先生と生徒だぞ!?
どんだけ大変か、お前わかんねーだろ!
だからおれはなぁっお前には、幸せになってほしいんだっつの!」
司路は体をおれとは反対側に向けて、顔だけおれの方に向けて馬鹿野郎!とだけ叫ぶと顔を戻して走って帰ってった。
ヒートアップしたおれも司路の最後の言葉で冷静になった。
そのあと、おれは1人とぼとぼと、自分の家に帰った。

