その時、匕ュッと風が吹いた チリリリン 「あ」 鳴った… 「あーいい風だな」 「今のうちに帰るか」 やっぱり 人工の風じゃダメなんだ 自然の風じゃなきゃダメなんだ そうか… 「龍ちゃん、帰るぞ」 「あ、はい」 お風呂セットを棚に置いたから 帰りは荷物が少なくなった 「またな」と別れて家へ向かう道を歩く 風はまた止まってしまった きっと風鈴の音もしてないはずだ 歩きながら 帰ったら将棋とサウナについて調べようと思った