赤い電車のあなたへ




そうだよ。


わたしが好きなのは電車のひと。


夏樹はわたしのいとこで、お兄ちゃん。


そして、親友ほたるの彼。


おかしなもやもやした気持ちなんて、朝露の雨とともに流してしまえ。わたしはそう思いながら、急に眠気を感じて睡魔に身を委ねた。






わたしの熱は午後に下がって37度2分になったから、この調子だと朝には下がるかな、とホッとする。
夕ご飯はお粥とみそ汁をちょっとずついただいた。


「よかった! これなら明日学校に来られるね」


わたしの看病に来てくれたほたるは、わざわざお手製の葛湯を作ってくれる。


そして今日どこに行ったか、何をしたかを話してくれた。


「特に夏樹が張り切ってね。鞠のためだからって、遠くまで聞き込みに行って。本当に頑張ったんだよ!
だからこんな情報が手に入ったんだ」


ほたるが差し出したメモ用紙。それには几帳面な夏樹らしい細かい書き込みでびっしり埋め尽くされてた。


【6月XX日。石龍。
たまたま例の男と話した人と遭遇した。
落とし物を拾ってくれて、軽く言葉を交わしたとか。
彼は“あるものを捜しに来ました”と、話したらしい】