この作品を読んでくださった皆様へ


「赤い電車のあなたへ」
これにて完結です。
はっきり言えばこの作品は華やかでも甘くもありません。派手さはないしドラマチックな訳でもない。地味で人目を引く要素は皆無でしょう。

しかし、それでも続けて来られたのは毎日お読みくださった方がいらしたからです。


自分としては青春期の揺れる気持ちを描いたつもりですが……なにぶん力不足なため有り得ない展開もあったかもしれません。

ラスト付近の展開は少し都合が良すぎたか、とも思いましたが……。


ともかく、鞠は最初ビクビクおどおどした小心者でしたし、自信がなくすぐにラクな方へ逃げます。人付き合いもヘタでした。


そんな彼女が変わったのはひと夏の恋でした。

彼女はこれだけは諦めまい、とたった一度電車の窓から見ただけの初恋の人を探し当てます。


時々迷い悩みながらも成長をして、最後は勇気を出し切りました。それがラストの手紙風の言葉に繋がります。


物語はこれで幕を閉じます。鞠たちはそれぞれの未来へまた歩いてゆくことでしょう。


お付き合いを本当に本当にありがとうございました。