2人きりになり、龍太さんの顔をじっと見てみた。
すやすやと眠って居るかのようだけど、意識が戻っていないんだ。
わたしのせいで……。
わたしはもはや溢れる涙を堪えきれず、ポタポタと床に落とした。
「龍太さん……ごめんなさい。ごめんなさい! ごめんなさい……!」
好きな人をこんな危険な目に遭わせてしまうなんて。なんてわたしは最低なんだろう。
ほんの少しでも一緒に、なんてわがままを思わなきゃこんな事にはならなかった。
今回はたまたま軽く済んだけど、打ち所が悪ければ最悪亡くなったり二度と目覚めない事だってあったんだ。
だから、わたしの罪は決して軽くなんかない。
龍太さんが笑って許してくれても、わたしはわたし自身を許せない。
わたしは龍太さんにとって疫病神なのかも。
あの赤い電車でわたしは龍太さんを見て、そして龍太さんはわたしを見た。
けど、その後龍太さんは大変な目に遭ったみたいだし。
わたしが少しでもそばにいると、龍太さんは不幸になってしまうのかも。
わたしはどんどんネガティブな考えの泥沼にはまっていった。
そんな事はあり得ずとも、今のわたしには龍太さんへの後悔や謝罪の気持ちでいっぱいで。もう、自分を消してしまいたいとさえ考えていた。



