赤い電車のあなたへ




わたしは両手をギュッと握りしめた。


これ以上は知りたくても知らない方がいいかもしれない。
やっぱりわたしは赤の他人だし、龍太さんや良子さんの思いを考えると、おいそれと立ち入れない。


重いお話だから嫌だというんでなく、全く関わりのないわたしが知っていいかどうか。


第一に、わたしは良子さんを直に知らないのに。彼女の重い秘密を知っていいのかな? そんな遠慮があって。


「あの……わたし」


いただいたオレンジジュースを両手に持ち、隣の龍太さんに思い切って声をかけた。


「それだけ聞かせていただければ十分です。ありがとうございました。あとは龍治さんとよくお話なさってください」


良子さんと貴史さんの2人にあったこと。それは同じ時間を共有してきた人たちが知るべきと思う。


わたしも知りたい気持ちはあっけど、それは興味本位や好奇心ということは否定出来ない。


同じ女性としてそれではきっといけないんだ。


良子さんの事情はたぶん、彼女が女性だからということが関係してる気がする。