赤い電車のあなたへ







三日湖に着いたのは、時間にして30分ほどだった。

わたしが歩くより早く着いて、すごいなと思うと同時にちょっと残念に感じた。


もう少し龍太さんと一緒に居たかったなあ……なんて。図々しい考えを抱いてしまう。


(わたしったら何を考えているのよ!)


自分を戒めるために、ぎゅーっとほっぺたをつねった。


龍太さんと向かった先は、わたし達が泊まる予定の旅館。いざという時はそちらで待ち合わせをしていた。


お昼過ぎに一度は落ち合う約束をしていたから、たぶん龍治さんも待っていてくれるはず。
そう説明しておいたからか、龍太さんは自転車を目立たない場所に置いて旅館のなかに入った。


わたしもなかに歩いてゆく龍太さんの後を追った。


正面玄関の受け付けの向かい側にあるロビー。椅子やテーブルがしつらえてあり、テレビも設置されてるそこに龍太さんは向かう。


そして、彼はただひとつの人影に向かって声を張り上げた。