赤い電車のあなたへ




「なるほど、確かにそうだね。僕もそう思うから、この水まんじゅうにしよう。
鞠ちゃんはどれがいい?好きなもの1つ選んでいいよ」


「えっ……はい。それじゃあわたしは……ブルーベリーとレアチーズで」


割と甘いものが好きなわたしは、あっさり決まった。


「すいません……図々しくて」


選んで良いと言われてたとはいえ、真っ先に選んでしまって恥ずかしい。厚かましかったかなと冷や汗をかきながら謝った。


「いや、いいよ。僕も好きなの選ぶから」


龍太さんはやっぱりあったかい笑顔で、とても優しい人だった。


水まんじゅうを買った後、わたしに袋と荷物を背負わせ、おぶって診療所まで連れて行ってくれた。


診療所までたぶん1キロとなかったけど、わたしはなぜか胸が締めつけられて涙が流れる。


ふと、ほたるは無事に夏樹に会えたのか気になったけど。龍治さん以外携帯電話を持ってないから、連絡のしようがない。


どうか無事に再会して、2人で三日湖を楽しんでいますように。と祈る気持ちでいた。