一度戻って龍治さんとともに探した方がいいのかも?


わたしはいただいた龍太さんのメモ帳を見ながら考え込んだ。


馬姫神社まで徒歩で30分はかかったから、龍治さんを探し出して戻るには少なくとも1時間以上掛かる。


龍の丘までは歩いて15分程度だって言うし。困ったなあ。
龍治さんは携帯電話持ってるけど、わたしはないから連絡のしようがない。


公衆電話が龍の丘にあれば、そこから連絡すればいいかな。


やっぱり戻るよりは進んだ方がいいよね。
というわけで、わたしは龍治さんを呼ぶより龍太さんを捜す方を優先した。


2人一緒に捜すより、二手に分かれた方が効率的だし。龍治さんが別の場所で別の情報を得ているなら、わたしも独自に動いて情報を集めよう。


とにかく、龍の丘に向かわなきゃ。
わたしは馬姫神社に向かって深々と頭を下げ、お礼を言ってから進んだ。




龍の丘は丘というだけあり、なだらかな丘陵地が続く。


とはいっても、角度が緩くてもそれがずっと続くとなかなか大変だ。


足腰が貧弱だと負担が大きくて、スタミナがなくなる。登りきった頃にわたしはクタクタだった。