わたしは朝ご飯の当番でもあったから、夏樹の気分が少しでも良くなるよう、一生懸命に作った。


目玉焼きとメザシとナスのお味噌汁。ぜんぶ夏樹の好きなメニューだし。味噌汁には彼の大好物であるそうめんも入れた。


これくらいでご機嫌を取ろうなんて思わないけど、少しでも夏樹の怒りが収まったら、なんて。都合が良すぎる考えかな。


期待をした朝食の席でも、やっぱり昨夜みたいな気まずい雰囲気が漂った。


夏樹は父親すら無視するくらい虫の居所が悪いみたいだし、これ以上わたしがどうこうはできない。彼はご飯に味噌汁をかけてかき込んだあと、おかずも食べずサッサと立ち去った。


居たたまれないわたしは食欲をなくしたけど、もったいないから無理やりお腹に詰め込んだ。


冷ました唐揚げと卵焼きをお弁当箱に詰めてる最中、涙が流れて仕方ない。


まだ叔父さんがいるから声を上げて泣けないけど。夏樹がここまで怒った、そしてわたしを嫌ったとだけは分かって。


やっぱり図々しかったんだ、昨夜のわたしは。


夏樹に謝りたいのに、もう遅いのかな?