猫はビックリして動こうとしない。



このままだと自転車は猫にぶつかる。



「マジかよ…っ!」




俺はすぐに猫を抱きかかえて道のはしっこ転がった。



「す、すみません!!大丈夫ですか!?」



自転車に乗っていた人が倒れている俺には慌てて駆け寄る。



「あぁ…大丈夫ですよ」


そう言って笑いながら起き上がる。



その人は何度も謝りながら自転車に乗って行ってしまった。


いや…どっちかっていうと悪いのは俺等の方なんだけど…まぁいいや。



「まったく…お前と居るとろくなことねぇな…」



そう言ってまだ抱きかかえている猫を見下ろす。


猫は「ミャー」と言って俺の顔をペロッと舐めた。