「なんて、ことだ!」

 あわててもう一度電信柱に頭をぶつけてみたけれど。

 それからぼくがお化けを見る事はなかった。

 だけど、お化けは……確かに、存在するんだ……

 道端の、部屋の、ありとあらゆる場所で。

 誰かを陥れようと。

 タタろうと、手ぐすねひいて、ぼくを待っているんだ……!

 タタりのもとが見えないのが、こんなにこわいなんて知らなかった。


 どことも知れない空間がしてぼくの背筋は一気に寒くなった。