桜の花びらも散って葉桜になろうとする5月中旬の安南高校の生徒会室…


「明日、噂の転入生が来るらしいね。確か名前は……「九条音羽(きゅうじょうおとは)」……そうそう、そんな名前の女の子だった」


生徒会室の机に置かれたパソコンをいじりながら、明日転入してくる女の話題を出してきた、雪こと榊雪斗(さかきゆきと)。


 
そして、雪の言葉に被せるように女の名前を出した俺、柊綾斗(ひいらぎあやと)。



「なになにー、綾斗が他人に興味持つなんて珍しいー。綾斗その子と知り合いなのー?」