すると繋いだ手が持ち上げられ、私の手の甲がそのまま霧島くんの口元へ導かれて……






チュッ。






「ひゃあっ!!!」




濡れた音が微かに私の耳に聴こえてきたっ!!



い、い、いま、柔らかいモノが確かに私の手にぃ!!!!



突然の霧島くんの行動にパニックになり、手を引っ込めようとしても力が入らないっ!!



そんな私の気持ちはお構いなしに霧島くんが次々と口付けを落としてくる!!!



手の甲にはもちろん、指先にも彼のキスが降り注ぐ!!


愛おしそうなその眼差しに、私はただ口をパクパクとさせて頭が真っ白になっていたっ!!!


すると今度は私の首筋に顔をうずめてきたっ!!!





!!!!!





思わずビクッと反応する私!



「え!?ちょ、ちょ、ちょっと霧島くんっ!!?アノ、待って!!ちょっと落ち着いて!!?」


止まらない彼の行動に、やっとの思いで声をかける!


「無理。続行。」



ギャーーー!!!




話を聞いてくれない!!



「だ、駄目だよ!!だってココ公共の場所でしょっ!?人もいるし……!!」


「どこに…?」




ハッ!!




人がいない!!!



何で!??



駅前の始発のバス停なのになんで誰もいないのよ!!




キョロキョロと辺りを見回していると!






チュッ。






「……っ!」





霧島くんが私の首筋にぃ~~~~~!!!



「駄目ッ!!もうおしまい!!!」



でもなかなか離してくれなくて……!



っ!



くすぐったいよっ!



それになんだか触れられてる部分が痺れるように熱いッ!!!



私は霧島くんのキス攻撃に耐えるしかなくて、次第に変な声が出てくる……。




「………っ………ぁ…!」




!!!!!




な!な!な!



何いまの声は!!



はははは恥ずかしすぎるーーーー!!!



すると霧島くんもピクッと反応し、


「ココか、咲希の弱いとこ。」


「ーーッ!!!そ、そんなことは!!」


「ちと、我慢して………。」


「ひゃっ!!っ!…………ン!」



やだ!声が!!



出したくないのに声が勝手に出ちゃうよぉーー!!




その時、




ピリッ…


と左の首筋に痛みが走る!!




え!?え!?なに!??





なんか今!!




「やっ……ぁ……。」




「…………………よし、おしまい。」



霧島くんの体温や匂いがゆっくりと離れていくと同時に、私の全身の力が抜けていき、膝がガクッと崩れ落ちそうになった!!



咄嗟に霧島くんが私の体を支えてくれる。



私は彼にしがみつくのがやっとで、彼のシャツを握っていた!


「もう!!駄目って言ったのに!!!霧島くんの嘘つき!」


「悪ぃ、抑えられなかったゎ。……でも、咲希が煽ってきたのも悪いから、これでチャラな?」


「なっ!!わ、私は別に煽った覚えは無いもん!!!絶対煽ってない!」


バッと霧島くんの方へ顔を上げて、ムッと睨む。



すると霧島くんが目を大きく見開き、
そして、はああぁぁ……と大きなため息をついた。



「…………だからさ、それが煽ってるんだって。キスのおねだりにしか見えないんだけど?その態勢。」


「え?おねだり…??」



ムゥッ!!



私は怒ってるのに!



おねだりなんてしてないのに!!



また再度霧島くんを睨むと、



「そんな潤んだ眼でコッチ見られてもな……。跡つけただけで満足したのに。いつまでもそうしてっと、マジで唇にするぞ!?」


「え”!!!」


さすがに危機感を感じて霧島くんからバッと離れて遠ざかるっ!!



「ぶはっ!スゲェ逃げ足……!アハハハハ」


霧島くんは今度は笑い出してしまった!



な、なによ!!


結局からかってたんじゃない!



もう!霧島くんの意地悪っ!!


気づくと乗る予定のバスが、今バス停に到着した!



「ほら、早くおいで?もう何もしないから。」



「っ!もう!バカーッ!!」



そう叫んだけど、

霧島くんがくれた甘い痺れはなかなか消えてはくれなかった……。